超臨界二酸化炭素(sCO₂)は、発電(sCO₂ブレイトンサイクル)や冷凍・ヒートポンプから、ますます多くの産業配管へ広がりつつあります。材質への要求は通常のCO₂とはまったく異なります。乾燥していれば炭素鋼をほとんど腐食しませんが、水分が入ると腐食速度は5倍以上に拡大します。ホースではライナーとグレード、金属管では水分量と温度がすべてを決めます。本記事ではsCO₂システムの材料選定の境界を一気に整理し、そのまま使える比較表と現場チェックリストを添えます。

問題1:乾燥sCO₂で2年間問題なく走っていた炭素鋼配管が、水分モニタリング点を増やしたところ肉厚が3割減っていることが判明。
作り話ではありません。乾燥(未変性)CO₂は確かに炭素鋼をゆっくりしか腐食せず、研究でも未変性CO₂中での腐食速度は低く適用性が良いと結論されています。しかし「水分あり」という言葉が出た瞬間、結論は逆転します。水飽和sCO₂環境中の1018炭素鋼には明確な腐食侵食が観察されています。さらに温度は増幅器です。ある含水条件下では、40 ℃から80 ℃への昇温で腐食速度が0.45 mm/年から2.43 mm/年へ跳ね上がります。温度は5倍未満の上昇なのに、腐食速度は5倍以上になったのです。
問題2:PTFEライナーホースは主流の選択肢。しかし「主流」は「万能」ではありません。
PTFE(四ふっ化エチレン樹脂)は化学的に極めて不活性で、ステンレス編組で補強すれば数百barに耐え、現在のsCO₂輸送用ホースの最も主流なソリューションの一つです。ただし一つの落とし穴に注意。研究では、特定のsCO₂環境下でPTFE被覆が劣化しうると指摘されています。したがって選定では「PTFEの3文字(4文字)」で止まらず、実際の条件でのそのグレード固有の適合性データをサプライヤーに要求してください。
問題3:316は600 ℃で役目を終えるべきなのに、650 ℃になってようやく材質変更を思い出す人が多い。
ステンレス316(316H・316Lを含む)は高温sCO₂システムの定番候補材で、含水環境でも耐食性を保ち、総合的には304より優れています。ただし推奨使用温度の上限はおよそ600 ℃。これを超えると表面の保護酸化皮膜が破綻し、耐食性が低下します。さらに上はInconelやHastelloyといったNi基合金の検討が必要です。
上の3つの問題は別々に見えて、根本は同じです。sCO₂を「一つの気体」として扱っている点にあり、実際には「純度が変わりうる媒体」です。その腐食挙動は2つの変数で決まります。
この2点が固まらないままでは、どんな「推奨材質」も絵に描いた餅です。
| 使用条件 | 推奨材質 | 重要な制限 |
|---|---|---|
| 乾燥(未変性)sCO₂、中低温 | 炭素鋼 | 経済的。ただし水分が入った途端に激しい腐食 |
| 含水sCO₂/より高い耐食性が必要 | ステンレス304 | 炭素鋼よりはるかに耐食。高温sCO₂では酸化皮膜を生成し、被覆による補強が しばしば必要 |
| 高温sCO₂(600 ℃以下) | 316 / 316H / 316L | 推奨上限は600 ℃。超過すると保護酸化皮膜が破綻する可能性 |
| 高温sCO₂(600 ℃超) | Ni基合金(Inconel / Hastelloy) | コストが大幅に上昇。個別評価が前提 |
| 高圧輸送用ホース | PTFEライナー+ステンレス編組 | PTFEのグレードごとのsCO₂適合性の確認が必要 |
| CO₂冷媒用ホース | EPDM / IIRゴムチューブ+金属箔バリア | ゴム単体ではCO₂の透過を抑えられず、バリア層が必要 |
| 軽量化・その他 | ポリアミド(ナイロン)芯ホース | 長期安定性は個別に評価 |
304について補足。550 ℃・20 MPa条件下でステンレス304は酸化皮膜を生成し、実務では耐食性向上のために被覆が併用されることが少なくありません。改良品種(Super 304Hなど)の600〜700 ℃での挙動は現在も研究中であり、検証されていないプラントでの採用は推奨しません。
Shanghai Beirun Hydraulic Equipment Co., Ltd.(KUNGFLEX)は2009年から油圧ホースと流体継手に深く携わり、sCO₂・液冷・水素といった新しい媒体に向けて、ライナー選定からアセンブリ検証まで一気通貫のソリューションを提供しています。
sCO₂は「特殊な媒体・過酷な条件」の領域です。Shanghai Beirunは汎用型番を渡して終わりにはしません。水分量・温度・圧力・媒体純度をまず確認し、ライナーの材質とグレード、編組構造、継手のシール形式を確定させて、適合性リスクを選定の段階で潰します。
Q: 乾燥sCO₂システムで炭素鋼管は使えますか。
A: 使えますし、経済的です。前提は媒体が常に乾燥(未変性)であること。水分が入った瞬間、炭素鋼の腐食速度は急上昇します。40 ℃から80 ℃への昇温だけで、0.45 mm/年から2.43 mm/年へ跳ね上がりえます。
Q: sCO₂輸送ホースは必ずPTFEライナーですか。
A: PTFEライナー+ステンレス編組が最も主流です(耐圧は数百barまで)。ただし研究では特定のsCO₂環境でPTFE被覆が劣化しうるとされ、グレードごとの適合性確認が必須です。CO₂冷凍用途ではEPDM / IIRチューブ+金属箔バリアが一般的です。
Q: 304と316はどちらを選べばいいですか。
A: 含水sCO₂ではどちらも炭素鋼よりはるかに優れています。高温なら316系(316H / 316Lを含む)を優先し、推奨上限は約600 ℃。304は高温sCO₂で酸化皮膜ができやすく、被覆補強が しばしば必要です。
Q: 600 ℃を超えると解はありますか。
A: 316系は600 ℃が実用上限です。それ以上はNi基合金(Inconel、Hastelloyなど)を検討し、コストと構造を再試算します。
Q: ホース継手で特に注意すべき点は。
A: シール面の材質と管体の材質の整合が重要です。特に含水・高温条件では異種金属によるガルバニック腐食を避け、継手の耐圧クラスがホースと一致していることを確認してください。
Shanghai Beirun Hydraulic Equipment Co., Ltd.(KUNGFLEX)は油圧ホースと流体継手のソースファクトリーで、ISO 9001:2015認証を取得し、80か国以上に輸出しています。超臨界CO₂・液冷・水素などの新しい媒体に対して、ライナー選定・配管材質の適合・超高圧検証までワンストップで支援します。まず水分量・温度・圧力・媒体純度を確認し、ライナーグレード・編組構造・継手形式を確定させて、適合性リスクを選定段階で排除します。